もっとも処分の重い懲戒解雇

それまで勤めていた会社を辞める際には、いくつかの退職方法を選ぶことになります。
転職などで職場を離れる場合は退職となり、この場合は自己都合退職が適用されます。
対象には他にも社員と会社側の合意による退職である合意移植などがありますが、解雇とは基本的に異なります。

解雇とは

では解雇とはどのようなものなのでしょうか。
解雇とは会社側が行う一方的な契約解除であり、社員側の合意がないことが特徴です。
解雇の理由や事情はさまざまですが、その多くが労働者側に不利益となるため、雇用保護規制の対象となっていることを忘れてはいけないでしょう。
例としては経営不振による人員整理を行った集団解雇、労働力の低下などを理由として普通解雇、そして規約違反などを理由にした懲戒解雇が存在します。
一口に解雇といっても勧告される理由や事情はそれぞれまったく異なることが判るのではないでしょうか。
懲戒解雇に関しては咲くやこの花法律事務所さんの「懲戒解雇とは?6つのケース例とリスクや進め方を解説」の記事が参考になると思います。

懲戒解雇が適用される例

懲戒解雇が適用される例には、犯罪行為が認められたこと、職場内の規律に違反したこと、学歴や職歴などの経歴詐称や業務違反命令などが挙げられます。
他にも守るべき機密の漏洩や他社や自社などの秘密の漏洩なども挙げられるでしょう。
企業の中には就業規定を設けている例も多く、競業避止義務や務専念義務違反にあたったとして背信行為に該当する場合もあります。
これらの規律違反および規約違反に対して与えられるもっとも厳しい処分が懲戒解雇であり、職場に残ることは許されません。
規約違反の処分には他にも戒告や譴責、言及、定職などが存在していますが、いずれの場合も会社自体に籍を残すことは許されています。
懲戒解雇は最も重い処分であり、この処分に該当する規約違反や規律違反がなければ多くの場合は適用されません。
また、刑事犯罪に該当する場合は即適用されることもあるものの、懲罰との釣り合いを考慮してまずは事前に指導や勧告などを行う例が多いのも特徴でしょう。

懲戒解雇の実施は企業としても責任を伴う

懲戒解雇の実施は企業としても責任を伴います。
一部の事例を除き、ひとまず社内で当人に指導や警告を行って是正を試みる例が多いのではないでしょうか。
段階的な懲戒を行っても是正されない場合は、やむを得ず懲戒に踏み切ることも十分にありえます。
また、懲戒に該当する事例であっても本人が深く反省しているなどの理由がある場合は、論旨免職の処理を行うこともあります。
あくまで会社側が一方的に通告する懲戒解雇とは異なり、論旨免職は該当社員本人が退職を申し出る形になるのが特徴です。
なお、多くの企業では懲戒による解雇が適用された場合は、退職金を支給しないなどの規約を制定しています。
この場合、退職金のすべての金額を不支給とするのではなく一部のみにする、あるいは業績の応じて一部金額を支払うなどの例もあります。
もちろん会社の信用を失墜される事件を起こした、横領などで会社に大きなダメージを与えたなどの犯罪行為が存在する場合には全額不支給もありえるでしょう。

まとめ

退職金不支給についての事例もさまざまであり、例えば残務整理や後任への引き継ぎをしなかった例では永年勤続の功労を消すほどのものではないとして、退職金の不支給が却下されています。
また、酒気帯び運転による物損事故や逃亡を理由とした懲戒では、退職金の支給が3割程度になった例も存在します。
いずれの場合も懲戒による解雇に該当する事例では、その後の人生にも大きな影響を及ぼすことが判るでしょう。
長年勤めた企業から本来受け取る予定だった退職金だけではなく、今後の再就職にも影響する可能性が考えられます。
企業側もこれらの影響を考慮して、犯罪行為など大きな実態がない以外は、懲戒を行う際に慎重な姿勢を見せることが多いのも特徴です。